「マラソンの心」宗茂・著。
サブタイトルは、『マラソン練習』誕生ストーリー。
宗兄弟が、試行錯誤をして「マラソン練習」というものを確立していく。
これまでの中で最も参考になった気がする。
自分達だけではなく、旭化成で指導者になってからも「マラソン練習」の確立は続く。そうして育てた選手は、谷口浩美、森下広、宮原美佐子など多数。
宮原美佐子さんのエピソードはすごい。
学生時代には陸上部ではあったが、旭化成では一般社員だった宮原さんが、社内のジョギング大会で目に止まり陸上部に入る。しかし、あまり結果が出ない。5000mのタイムも良くない。あと1年で陸上部を止めてもらうしかないか、と思っていたころ、本人から長い距離を走りたいという申し出。
5000mも遅いのに、と思うも、本人の希望をかなえてあげようということになる。するとドンドン、タイムが伸びて大阪国際女子マラソンでは2位になり、ソウルオリンピックに出場することになった。本人の努力もさることながら、若き宗兄弟の指導にもよるところも大きいと思う。
当時、瀬古選手と宗兄弟というのは、日本中の注目の的であった。
瀬古さんは、やはり天才だと思う。
そんな天才のそばで、天才に勝ちたいと試行錯誤を重ねる2人。その努力が参考になる。
「考える練習」という言葉をそれを何度も書いている。
マラソン練習は、おおよそ3ヶ月をかける。
しかし、加齢によっては3ヶ月ではなく4ヶ月かける場合もある。
そのようにマニュアルにはない、自分なりの工夫をしていくことが大事と繰り返す。
また、ポイント練習とポイント練習との間の日に行う「ジョグ」が大事と書いている。ジョグで練習量を確保してスタミナを付ける。
私は、一人の練習の時にジョグしか出来ない、、、と後ろ向きに思っていたが、そうではなかったかもしれない。ジョグをキチっとやっていくことがポイント練習にはプラスになる。
最後の章は、今、取り組んでいる「気功」について触れる。
ネットで調べると、延岡で「気功健康塾」を開設されたようだ。
私は気功の事はわからないが「自然治癒力」には興味がある。薬にたよりすぎるのはいかがなものかと思っている。その自然治癒力を引き出すためのものの一つとして気功があるのかもしれない。