昔ながらの喫茶店

新宿御苑前には昔ながらの喫茶店がいくつかある。たいがい、ご主人がコーヒーや軽食を作り、奥さんがそれを運び、レジをする。お店は20年以上、もしかしたら30年以上、続いているのではないだろうか。ご夫婦で、力を合わせて、一杯数百円のコーヒーで商いをして、子供を育てあげ(たぶん)、老後のなにがしかの蓄えをし、そういう暮らしがある。

新宿御苑前にも、チェーン店のコーヒーショップがいくつもあり、若い人達で混んでいる。それでも、美味しいコーヒーと落ち着いた店のこしらえで、昔ながらの喫茶店には固定客が多い。固定客もご主人と一緒に年齢を重ねている。

昔ながらの喫茶店では、今でもモーニングには「トーストとゆで卵、そしてコーヒー」が定番。いつも朝はあたふたと会社に向かうが、土曜日に休日出社する時は、ゆっくりモーニングをいただき、ほんの少しのんびりする。時間にすればわずかだが、私のちょっとした贅沢な時間だ。

ご主人と奥さんの、なんとも言えぬ「気」で通じる仕事ぶりが微笑ましい。ご主人か奥さんか、どちらかが体調をくずしたら、それで閉店になってしまうのかもしれない。どうぞ、お元気で末永く続けてください。