「ロウアーミドルの衝撃」大前研一・著。
大前氏の本は2冊目。これはおもしろい。
二極化が進んでしまった日本。その大半はロウアーミドルという中流の下の階層である。けれど「ロウアーミドルが多いのが悪い」ということでもない、という発想の転換。収入が減ったとしても、物価が安くなれば、それは結果としては変わらないのだ。
それよりも、「大きさがそろった苺を買う」という日本人の、妙な慣習を捨て去ることで、物価はさらに下げられる。日本は収入が下がったとはいっても、世界的に見れば高収入である。日本人一人ひとりが改革者になるべきだと言う。
現在の政府に対して「古いものを壊すだけでは、新しいものは生まれない」と言う。「小泉さんを批判していない」としつつも、そこに足りない点をあげる。
「21世紀は、国よりも地方、地方よりも企業、企業よりも個人が主導権を取る時代なのだ」
そして、「次期首相に物申すべき4つの核心」をあげている。
大前さんが政治にたずさわったら、どのように改革をなすのだろうか?見てみたい、と思った。