最近は小説を読むような「心のゆとり」がなくてビジネス本ばかり読んでいたら、無性に小説を読みたくなった。浅田次郎氏は、いま一番好きな作家。
浅田氏はギャンブル大好きな人で、このごろ(といってもこの本を書いている2000年、2001年あたり)は、年に3回、ラスベガスに行ってるようだ。
この本を読んでいるとラスベガスに行きたくなっちゃう(笑)
著者がしかけた網にまんまと引っ掛かった感じ(笑)
日本人、ことに日本のオヤジには、ひとり残らずラスベガスに行ってほしいという切実な願望が、私にこの物語を書かせているのである。
壮大なスケールと、そこで繰り広げられるバカバカしくも人間の本質をついたような話は、なにか歌舞伎のストーリーにも通じるものがある。
笑いあり、欲望あり、色恋あり、裏切りあり、殺人あり…。人生の縮図のようなものが数日の出来事の中にギュっと凝縮されている展開は、読んでいてワクワクする。
読み終わったあと「あーあ、読み終わっちゃった」と、なぜか寂しくなった。そういう感じはビジネス本では味わえないなー。