読書:本多静六自伝 体験八十五年

「本多静六自伝 体験八十五年」本多静六・著。

(まだ2月だけど)今年一番のお薦め本!
慶応2年生まれの本多氏は、苦学して日本に林学というものを築いた人。
樹木を知り、樹木の大切さを唱えている。日比谷公園を作り、国立公園の制定や、氏の功績はすばらしい。
こういう人達のご苦労によって、今日の日本の基盤が出来上がったのか。深い感謝に気持ちになる。

多くの著書を執筆した本多氏は、この本が最後の筆となる。 この本を書き上げた後、急遽され、生誕140年の今年(2006年)復刊された。

晩年の著として、人生85年を振り返った時に、特筆すべきところは、2度も本気で自殺をしようと考えたことだ。そのくだりは、切ないけれどおかしい。

職業の道楽化
私の体験によれば、人生の最大の幸福は家庭生活の円満と職業の道楽化にある。
すべての人が、おのおのの職業、その仕事、その職責に全身全力を打ち込んでかかり、日々のつとめが愉快でたまらぬ、面白くてしょうがないというところまでくればよろしいのである。いわゆる三昧境である。それが立派な職業の道楽化である。

幸福についての考え方
第一は心身の健康である。
第二は自分の望みが叶うことである。
第三は、自分の働き、自分の努力によることである。
第四は、素直な心の感じ方である。
第五は、比較的、かつ進歩的であることである。
第六の条件は、社会の希望に反しないということである。

今日における成功への近道を申し添えておけば、
1.常に心を快活にもつーーー楽天主義。
2.尊心その業に励むーーー職業の道楽化。
3.功は人に譲り、責は自ら負う。
4.善を称し、悪を問わず。
5.好機はいやしくもこれを逸せぬこと。
6.勤倹貯蓄ーーー四分の一貯金の実行。
7.人事を尽くして天命(時節)を待つ。