インプラント断念

右上・奥歯が2本ない。20歳の若き頃に虫歯になって抜いた。その後ろに出てきた親知らずを含めて、3本を一気に抜いた。どういう経緯だったかすっかり忘れたが、通っていた歯科医から紹介されて、お茶の水にある東京医科歯科大学の付属病院で抜いた。

なにか珍しい状態だったか知らないが、先生が研修医らしき若き青年達に私の口の中を見せる。代わる代わる私の口をのぞいては、「ほー」とか「なるほど」と研修医が言い、メモをとる。同世代のアタクシは、口をデカく開いて、その奥を覗かれることが、とても恥ずかしい、という事だけを覚えている。

ということで、この20年以上、右奥歯でしっかりと噛むことが出来ない。
横浜で「おやま治療院(現在はおやま調整院)」を営む弟から「左右のバランスが悪い」と指摘を受けている。肩こりもひどい。

そこで話題のインプラントだ。

治療費が「高い」らしいが、ホームページでしっかりとその価格を提示しているところは見当たらない。「○○万円以上~で、その程度によります」ということだから、私の場合はいったい、いくら? ということを含めて、通っている歯科医に相談した。

「インプラントは骨の状態や、その他諸々の条件で出来ない場合がある」とのこと。「まずは大学病院などでCTをとってからでないと何とも言えない」そうだ。そのレントゲン費用は保険適用外で3~4万円かかる。私の寿命がどのくらいか知らないが、仮に70歳とすると、あと30年近くある。どうせ、もっと骨はもろくなる。

「レントゲンをお願いします」と後先考えずに言う。
先週、昭和医科大学でレントゲンを撮ってもらって、その結果が出た。

結果は「その部分のインプラントは無理」でした。
どうやら、ひどい歯槽膿漏かなにかの後があって、その部分だけ骨が薄いらしい。ミリ単位で骨の状態がわかる。すごい。
インプラント出来なくて悲しいような、治療費を考えると、ホッとしたような、複雑な気分。

レントゲンの結果が出る前に「インプラント治療には1本50~100万円程度はかかる」と、何かの雑誌で読んだ。ゲ!100万円たー、Macが3台は買える、と思った。

ということで、通っている歯医者さんと相談しつつ、「まずは右で噛めるように」その前の歯に針金のようなものを引っ掛けるブリッジ案の検討に入る。ここの空間にそういうモノが入ったら、どういう感じかな?と何もないところを舌の先でなでてみる。
自分の高齢化に向けて、少しずつ準備だな。